ランニングを習慣化させるためのコツ

突然ですが、私は今朝ランニングをしました。かれこれ7年以上は習慣的に走っています。
決してレースに出たり、長い距離を走破したりしているわけではなく、単純に運動不足解消や健康維持のために走っている感じで、一回に走る距離は8キロ程度なので結構ライトなランナーだと思います。
今回は、「何か運動しなくては
と考えておられる方、もしくは「一時期ランニングをやっていたけど続かなかったよ」という方向けに、私のようにゆるーくランニングを続けるコツをご紹介できればと思います。

ランニングが続く人、続かない人

ランニングが続く人とそうではない人で何が違うのか。ランニングが続く人は鉄の意志で自分に鞭を打って走っていて、そうでない人は心が弱いのでしょうか。
私は、ランニングの習慣化と意志の強さは関係ないと考えています。
確かに、走り初めの最初の1~2週間は、敢えて時間を作って走らないとという気持ちになるかもしれませんが、継続的にランニングする人は毎度毎度克己して走っているわけではなく、むしろ「走りたい」という気持ちのままに走っているだけだと思います。
もちろん、レースに出たりするような人は身体的にも精神的にも無理を押して走っている方もおられるかと思いますが、趣味のランニングであれば、走りたいという気持ちがあれば習慣化は可能です。

ここまで聞くと、「なんであんなに苦しい作業を敢えてやりたいと思うのか」と感じる方もおられるかと思います。確かに、ジューシーなステーキや新鮮な海鮮を見ると、人はそれだけで「美味しそう」と感じますが、箱根駅伝を見ても「走りたい」という気持ちが想起されることはなく、むしろ「きつそう」という感情が先に来るのではないでしょうか。ここがランニングの難しさ(というかこの手の習慣全般に言えることですが)で、楽しくなるまでに何度か回数をこなす必要があります。
ここでは敢えてランニングの楽しさを説明するということをしません。したとしても散々こすられた陳腐な表現になってしまうでしょうし、これから始める方にはその楽しさを想像しながら走っていただくのが良いと思ったからです。

これから走り始める方やランニングを再開した方は、どうか最初の数回がキツく苦しいものだからといって諦めてしまうのではなく、「自分はランニングの楽しさを体験する過程にあるのだ」とポジティブに捉えていただきたいのです。

ランニングのための呼吸法を知る

さて、では少しでも楽しいランにするためにどうしていくかという話ですが、まず普段我々が行っている呼吸法とランニングの時の呼吸法は違うということを認識し、走るときはいつもと違う呼吸法取り入れる必要があることをご理解いただく必要があります。

日常生活で意識することはありませんが、普段人は「一回息を吸って、一回息をはく」という呼吸をしています。(何言ってんだって感じですが…)
ただ、運動しているときにこれを再現すると、呼吸器官にかなり負担がかかって辛いです。そもそも走っている時は普段よりたくさん息を吸う必要があるので、それを一回の呼吸で全て補おうとするとかなり苦しいです。
ではどうするかというと、呼吸を短く、複数回に分けるのです。私の場合は「息を短く2回吸って、短く2回はく」という呼吸をしています。リズム的には「スッスッ、ハッハッ」という感じです。
こうすることで呼吸器官への負担も少なく、なおかつたくさんの息を取り込めるので、かなり楽に走ることができます。
もしかしたら、ランニングに一度挫折した人はこの辺が原因かもしれません。走るなんていう運動は、それこそ小学生の頃から誰もが何度も経験していることなので、今更正しい呼吸法を調べようとは思いません。
しかしながら、鬼滅の刃ではないですが、運動強度に合わせた呼吸法というのは確かにあって、結構侮れない効果があります。
これから走ろうという方や壁にぶつかっている方は是非この呼吸法を意識してみてください。

基本的なアイテムを揃える

実際に走り始めると分かることですが、ランニングに当たっては完全に手ぶらで走るということはなく、少なくとも自宅の鍵と、場合によっては小銭やクレジットカード、スマホ等を携帯して走ることになります。
別に鍵くらい大丈夫だろ
と思うかもしれませんが、実際走ってみると単にポケットに入れただけではかなり上下に荒ぶるので明確に邪魔だと感じるでしょう。また、最後の章で触れますが、ランニング自体を楽しくするには好きな音楽を聴くというのもありです。そうなると当然スマホが必要になってきます。

「基本的なアイテムを揃える」と題しましたが、要するにこうした細々した携帯品を詰め込むための小物入れ(ランニングポーチと言うらしいです)が必要になってきます。普段使いするようなポーチやリュックだと相当かさばりランニングどころではなくなってしまいますので、是非ランニングポーチはランニング習慣の初期段階で揃えていただいた方が良いです。
それ以外のウェアやシューズなんかはご自身が使いやすく、気分の上がるものを常用していただければ十分です。

最適なルートを開拓する

呼吸法の違いを理解し、ランニングポーチを持ったのであれば、あとは走るだけです。
この時、東京であれば皇居や代々木公園、大阪であれば大阪城公園なんかの規定のコースを走るのであれば気にしなくて良いのですが、多くのビギナーランナーにとっては「走るために電車に乗ってどこかに行く」と言う行為が、ともすれば少し馬鹿馬鹿しく思えるでしょう。
そうすると自宅近くに適当なルートを定め、そこを走っていくと言うことになりますが、自分にとって最適なルートは、車道や歩道の間隔、勾配の程度、そしてもちろん距離感等々、色々なことを「実際に走りながら」吟味して決めていく必要があるため、少し時間がかかります

とはいえ、
私はこの7年ほどで5回ほど引っ越しする機会がありましたが、その全てで自分にとって最適なルートを探すことできましたので、きっとあなたにとっても良いルートがあるはずです。
そこでこれまでの経験から、こういったことに注意したほうが良いと言うポイントをまとめてみました。

勾配のあるルートは避ける

特に東京都心部とかでありがちな地形ですが、坂道は避けたほうがいいです。思っている以上に勾配は走りづらいので、なるべくなだらかな道を選びましょう。たまに自転車とかがすごい勢いで下ってきたりするので、安全性の観点からも避けたほうが無難です。

往復でちょうどいい距離を探す

結構やりがちなのが、「行けるところまで走ってみよう」と言う心意気で走ってしまい、帰路まで体力が持たないケースです。「家に帰るまでが遠足ではないですが、あまり欲張りすぎず、探り探り距離を伸ばすつもりで走っていただければOKです。

他のランナーのルートを観察する

もし自分以外にランニングしている人の姿があり、いかにもそれっぽい風貌をしているようであれば、その人は既に最適なルートを開拓している可能性が高いです。したがって、ランナーの多いルートは比較的楽な道のりで走れると言うわけです。

とはいえ無理は禁物で、そのような熟練ランナーは多少難しい道でも軽々走っていくかもしれません。そういった場合は、先の「勾配の厳しい道は避ける」、そして「帰路も含めてちょうどいい距離にする」を思い出し、途中で見切りをつけ引き返しましょう。

ランニング中に聴く音楽のプレイリストを作る

最後のコツは、ランニングをより楽しくするために一番効果的かもしれません。ストイックにランニングそれ自体を楽しむタイプの方からすると、走っている最中に音楽を聴くのは邪道かもしれませんが、正直そうじゃない人の方が大多数だと思うので敢えて音楽を聴くことをお勧めします。
特にビギナーにとっては走っている最中はただただ辛く、ランナーズハイに至るまでの道のりが苦痛でなりません。「ただ何もせず走るだけ」と言う行為は、瞑想にも似た感覚があるので私は好きなのですが、瞑想とは異なり肉体的な苦痛が伴うのも事実です。こうした痛みを紛らわすため、気分の上がる曲を聴きながら走ると言うのはかなり有効な手段です。

ただ、音楽に集中しすぎてしまうと危険ですので、必ずノイズキャンセリング機能をオフにし、できればワイヤレスのイヤホンを使うと良いでしょう。
また、あまりローテンポな曲だと走るペースが乱されます。ビギナーであれば、BPM(Beats Per Minutes)160程度又はそれ以上の曲を聴きながら走ると良いでしょう。私の体感だと、遅くとも星野源さんの「恋」と同程度の曲から始めてみると良いかと思います。

走る時間・頻度

ビギナーにとっての一番の疑問は、どれくらいの時間、どれくらいの頻度で走れば良いのかということだと思います。

まず走る時間ですが、少なくとも20分は走っていただきたいです。特にダイエット目的で走りたいと言う方は、これより短いと十分に脂肪が燃焼されないようなので、20分以上を心がけると良いでしょう。

そして頻度ですが、これもダイエット目的であれば週3回以上が目安になります。
ただ、正直社会人で週3回走ると言うのは結構大変で、それこそランニングが好きじゃないとできないと思います。
したがって、「これからランニングを習慣づけよう」という初期段階においては、少なくとも週1回以上、月に4回以上のランニングを心がけてください。
恐らく土日のどちらかに走ることになると思いますが、最初のうちはなるべく土曜の朝に走ったほうが良いです。と言うのも、ルームランナーで走る場合を除き、ランニングはアウトドアの活動なので天気に左右されてしまいます。もし土曜の朝を逃し、土曜の午後や日曜に雨が降っている場合はそれだけで走れなくなってしまいますので、なるべく早いタイミングで走った方が良いです。

こうしてランニングを2回3回と続けていけば、自分の中で走ることに対する抵抗感がなくなっていることに気づくと思います。そしてさらに4回目に走る頃には抵抗感がないばかりか「もう少し走ってもいいな」と思っている自分に気づくでしょう。
そうなればもう良い意味で惰性で走ればよく、週2回でも3回でも、気が向いた時に走ってもらえればオールライトです。

と言うことで、これからランニングを始めようと思っている方やうっすらと興味のある方向けに、ランニング習慣をつけるためのコツをご紹介させていただきました。
最初の1〜2回は少し我慢して走ることになるかもしれませんが、一度その楽しさが分かったら自然と習慣化されています。「走る楽しさ」を契機とした習慣化の良さは、プライベートや仕事の転機がきっかけで一旦走るのを中断する期間があったとしても、再度ランニング習慣を開始するのが非常に楽であるという点にあります。

「ふくらはぎは第二の心臓」という言葉があるように、走る習慣は人生全体で間違いなくプラスに働き、新たな自分に出会える有用なツールです。本記事が皆様の健康維持の一助となれば幸いです。

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