人類と眼鏡。割れたレンズとふんぞりかえるコンタクト

眼鏡が顔の一部になってる人っていませんか?
眼鏡をしてないと物足りない顔というか、眼鏡をつけてないと全力じゃなさそうな顔の人。
私が中学生くらいの頃はコンタクトをしている人って結構少数派というか、先進派なイメージでしたが、今は職場で眼鏡をかけていると「コンタクトじゃないんだ。」みたいなことを言われます。
(暗に「その眼鏡似合ってないよ」って言われているんでしょうか。笑)
そんな環境だからこそ、今なお眼鏡をかけ続けている人の眼鏡はもはや骨格の一部にも等しい役割を果たしている。自然淘汰の結果生き残った生粋の眼鏡族なのです。

地球にはかつて、裸眼族と眼鏡族が共存する国があった。
長い時を経て、パーソナルコンピューターの発展に伴い裸眼族はどんどん数を減らし、皆が眼鏡をする眼鏡族一強時代が訪れるかに思われた。
しかし分厚いレンズを始終顔面に装備する眼鏡スタイルは次第にその機能性が疑問視されるようになり、ついに極薄のレンズを眼球にはめ込むコンタクト族が誕生した。
眼鏡の持ち忘れやレンズの欠損、眉間にできる眼鏡跡を克服したコンタクト族は次第にその勢いを強め、コンタクト族こそが最も環境に適合した勝利者であると主張し、眼鏡族を時代遅れの弱者として迫害するようになった。

滅亡したかに見えた眼鏡族だったが、コンタクト原理主義の眼鏡弾圧を逃れた「コンタクト怖い家」と「オシャレ眼鏡家」がしぶとく生き残り、彼らによる、彼らのための独立国家を形成していた。そして近年、「ブルーライト目に悪い世代」が産声を挙げ、若手による盛り返しが図られている。

そんな眼鏡族の攻勢であったが、ブルーライトカットレンズを開発したコンタクト族の反撃により虚しく終わろうとしていた。

盤石に見えるコンタクト族であったが、彼らはまだ知らない。レーシック族やICL(眼内コンタクトレンズ)族がその背後に迫っていることを。そして何より、当のコンタクト族の中にも、家に帰れば人知れず眼鏡族へと変貌を遂げる裏切り者が多数いることも。

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