あなたの職場には、何か失敗すれば必ず他人のせいにする人はいますか?
そういうタイプの人とはできれば一緒に仕事したくないなと思いつつ、ふと自分を顧みると、仕事が上手くいかなかったとき、(口には出さないまでも)人のせいにしている自分に気付き、内省したことはありませんか?
私も仕事の段取りがうまくいかないとき、あの上司/部下からの返信がもっと早ければ…クライアントがもっと早く相談してくれていれば…と言い訳している自分に気付き、「言い訳ばかりで自分はなんてダメなやつなんだ」と静かに自己嫌悪に陥った経験があります。
このように、他責思考が一周回って自責思考になってしまう人は、自己嫌悪ばかりが先行してしまい、実際に反省すべき点を見失ってしまいがちです。また、マインドセットとしてもそういうネガティブな感情を抱え続けるのは良くないです。
そこで、今回のテーマとしては、「他責思考をしてしまう自分を責めてしまう」というウロボロス的な悪循環から逃れるための考え方について私の考えをお話しできればと思います。
そもそも、「〇〇さえなければ」「△△さえうまくいっていれば」という考え方は、現状に満足していない、何か改善できる点があると勘付いているが故の発想になります。要するに、「自分はもっとうまくできたはずだ」という、いい意味で欲が出ている状態だと考えます。
したがって、まずは「向上心のある自分」を褒めてあげましょう。別のブログでも書きましたが、そもそも働くという行為は基本社会奉仕です。そんな社会奉仕であるにも関わらず、「もっと上手くできたはず」というハングリー精神を持つことができるのはそれだけで価値のあることだと思います。
そして何より虚心坦懐に、その仕事において自分が何をしたのか見つめ直すことも大切です。他責思考が裏返って自責思考になる人は、真面目というより「生真面目」が過ぎ、少しゆとりがない人だと思います。
そういう人は、もし自分に明らかな落ち度がある場合、まずはそこに罪悪感を感じ身動きが取れなくなります。
したがって、他責思考まで辿り着くということは、自分の中では正直そんなに落ち度がないと思っているのではないでしょうか。かといって現状に満足していない以上、何も痛みを感じないということ自体が忍びなく、「他責思考をする自分が嫌い」というリストカット的な捻じ曲がり方をしてしまうのです。
もしその仕事の中で「自分は自分なりのベストを尽くした」と言えるのであれば、そこで思考を止めてただ自分の頑張りを認めてあげましょう。
別に周りの人はあなたが痛々しく反省する様子を見たいと思っているわけではありません。世の中はそんなに意地悪ではないでしょうし、あなたも少し自意識過剰かもしれません。
少し前からよく言われるようになったPDCAサイクル(最近ではこすられすぎて逆に聞かなくなりましたかね?)だとかが示すように、何かを反省してそれを次に活かすというのは美徳であり、成功に必要な資質であることは間違いないでしょう。
ただ、反省することが目的になってしまったり、内罰的な傾向を持つ人はこれをやり過ぎるきらいがあります。何事も適度に適当が一番ですね。